auto motor und sport 和訳その1
ドイツauto motor und sport誌に掲載された99dの記事の和訳です。長いので二回に分けてブログしますm(__)m
以下auto motor und sport記事より
*****************************
AC Schnitzerの挑戦
省エネルギー。それはチューニング業界においても無視出来ないテーマとなっている。
アーヘンにあるBMWチューナー「AC Schnitzer」が、走る歓びを犠牲にする事無く、省エネルギー化が可能だという事を実証した。
Mazda MX-5の第一世代を知る人であれば誰でも知っている事。それは軽量化に勝るチューニングは無いという事です。ただ、最近のチューニングは俊敏性の向上より、パワーアップに重点が置かれています。
また近年、車体はますます大型、および重量増の傾向にあり、その流れを変える事は容易ではありませんが、AC Schnitzer(以下ACS)が開発したZ4ベースのコンセプトカー「99d」は抜本的なアプローチによりそれを実現しました。
「より低く、より広く、より強く、より速く」といった通常のコンセプトではなく、99dで追求したのは1kmあたりわずか99gのCO2しか排出しないエコで楽しい車です。
ACSの答えはまずZ4 2リッターエンジン(184馬力)を、近い能力を持つディーゼルエンジン(3シリーズ 320d Efficient Dynamics edition)に乗せかえる事から始めました。そのノーマルエンジンの性能は380Nmトルク、163馬力です。
そして6速マニュアルにし、スタートストップシステム、ブレーキエネルギー回生システム等のシステム面の見直しを行い、4気筒ディーゼルエンジンにチューンを実行。その結果420Nmトルク、190馬力mp性能を引き出しました。
次はエンジンの出力向上より重要な軽量化の実現です。
ACSの技術陣が一番最初に注目したのは、頑丈な折り畳み式ルーフの軽量化でした。
まずは単純にルーフを取り除く事から始めました。そしてカーボンルーフを作成して、取り外しが出来ないように装着しました。それによりクーペに生まれ変わったZ4は56kgの重量削減を達成し、トランクも抜本的に見直し、カーボン素材のものに取替え34.1kgの重量削減をしました。
Auto Motor und Sportの調べによると、その他にもシート、バッテリー、ストラット等、全て軽量化を行い156kgの軽量化を行い、プロジェクトを始める前に公約していた230kgをはるかに超える246kg軽量化を達成しました。
とりわけACSはバネ下の重量に細心の注意を払い、Type8 Forged Monoblockとコンチネンタルのライトランニングタイヤにより、ノーマルの93.8kgから68.8kgへと重量を削減。ブレーキシステムも鍛造製を用い、ノーマル39.4kgから29.4kgへと削減。
車体の軽量化は勿論エクゾーストシステムにも及びます。軽量のリアサイレンサーは19kgの重量を削減するだけではなく、重量感のあるサウンドがディーゼルエンジン特有のカラカラ音を目立たなくする事にも貢献しています。